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（四日市港に寄港している「MSC CARLA 3」で、本文記事と関係ありません。）

　船体の延長による積載量の増加を狙い、MSCが運航船11隻を対象に工事を行うようです。

　コンテナ船第2位のMSCはこのほど、世界初となる超大型コンテナ船の延伸改造工事を決定した。1万4000TEU型コンテナ船を切断し、船体ブロックを挿入することで積載量を1万7000TEUまで拡大する。コンテナ船の船体延伸工事は過去にも事例があるが、1万TEU超の大型コンテナ船での実施は初とみられる。CMA-CGMも同様の工事実施を検討しているもようだ。

 

　船体の改造工事を受注した中国の国有造船グループ、中国船舶重工集団（CSIC）が19日発表した。傘下の青島北海船舶重工で改造工事を実施する予定だ。対象となるのは最大11隻で、外紙報道などによると現在の全長365メートルの約10％、コンテナ2セクション相当分を延伸し、改造後の全長を394.4メートルと2万TEUクラスとほぼ同じ全長とする。さらにオンデッキ上の積載段数も嵩上げすることで、積載能力を3000TEU拡大する計画だ。

 

　青島北海船舶重工はこれまでもマースクラインのコンテナ船を中心に多くの改造工事を手がけてきた。2011年以降、同社の8600TEU型船や1万4000TEU型船の改造工事を実施している。ただ、これらはいずれもブリッジとラッシングブリッジの嵩上げによる積載能力の向上が主体で、船体の延伸は行っていない。

 

　CSICによると、同社幹部がMSCのジュネーブ本社を訪問し、現地で契約に調印したもの。CMA-CGMのマルセイユ本社も訪問しており、同社からも改造工事に対して関心が寄せられたとしている。（2017年12月21日付け日刊カーゴより）

　船体の延長工事と言うととてつもない大工事のように思えますが（大工事には間違いないですが）、一番、影響の少ない中央付近を切断し、間に新しい船体を入れるだけで、船のエンジン部分は触ることのない工事なので、その点では、比較的やりやすいと言えると思います。コンテナ船ではありませんが、船体の延長工事のタイムラプス映像がありますので、見ていただくと理解が早いのではないかと思います。

　今回は対象船が11隻と言うことで、MSCのHP（英語版）で調べてみましたが、運航船は440隻余りあるため、全ての要目を調べるのには非常に難儀しました。
　結果、下記の42隻のコンテナ船が候補になると思われます。新聞報道では、14,000TEU型となっていますので、13,000TEU〜14,999TEUまでのコンテナ船をピックアップしてみました。いずれも、日本に寄港していないコンテナ船ばかりです。ほとんどアジア〜欧州、地中海又はアジア〜北米に就航しているようです。
　要目を調査する中で、MSCは、12,000TEU台のコンテナ船も10隻以上運航していますが、今後、そういった船の改造工事も行うの事を考えているのか気になります。

　別途、ご紹介をしようと思っていましたが、今回14,000TEU型のコンテナ船の話が出ていますので関連する話をご紹介します。NYKの14,000TEU型の竣工記事が出ていました。NYKでの最大船型で、KLINEも同クラスが最大です。後日、各船社別の最大船型についても、ご紹介したいと思います。

　ジャパンマリンユナイテッド（JMU）は22日、呉事業所で建造していた14,000 TEU型8隻シリーズの最終船で日本郵船が運航する"NYK Owl"を引き渡した。
　同船は全長364m、全幅50.6m、深さ29.5m、航海速力22.5ノット。JMU独自の省エネ装置SURF-BULB、ALV-Finなどを採用し、高い省エネルギー性能を発揮、またホールド内18列、11段、デッキ上に20列、9段までコンテナを積載でき、JMUがJFEスチールと共同開発した極厚抗張力鋼「YP460」を採用し積載量を極限まで高めている。
　"NYK Owl"は今後日本郵船向けに貸船され、26日釜山起こしで日本郵船、商船三井、川崎汽船、Yang Ming（台湾）、Hapag-Lloyd（独）で構成しているTHE Allianceによる極東／地中海航路のMD2に就航した。(2017年12月25日付けCyber Shipping Guideより）