中国船社であるCOSCO SHIPPING LINESが、先日のOOCLの買収に続き、その次の一手を着々と考えているようです。シンガポール船社PIL(パシフィック・インターナショナル・ラインズ)との関係を強化するとの記事がありました。
コスコ・シッピング・ラインズは5日、シンガポール船社PILとコンテナ船の相互リース契約を締結したと発表した。コスコがPILに5500TEU型船6隻を、またPILがコスコに4250TEU型船5隻および6600TEU型船1隻の計6隻をそれぞれ貸し出す。コスコは一部航路で必要な船腹をPILから調達しつつ、内部で余剰となる船舶をPILに貸し出すことができるとしている。PILはアジア域内やアフリカ航路に強みを持つが、近年はコスコとの関係を強化しており、マネージングダイレクターのS・S・テオ氏はコスコ・シッピング・ホールディングスの董事会にも名を連ねている。
相互リース契約に基づき、コスコはPILに対して5400〜5600TEU型船6隻をリースする。対象となる船舶は「COSCO Shanghai」「Xin Xia Men」「COSCO Antwerp」「Xin Chang Shu」「Xin Fu Zhou」「COSCO Hamburg」で、用船期間は今月5日から来年4〜6月まで。船齢はいずれも10〜15年で、合計用船料は1035万ドルとなる。
一方、PILはコスコに対し、6606TEU型「Kota Cantik」のほか、4250TEU型船の「Kota Laju」「Kota Layar」「kota Lambang」「Kota Lumayan」「kota Latif」の計6隻をコスコにリースする。船齢は5〜10年とやや若く、6隻合計の用船料は約852万ドルとなる。用船期間は今月5日から来年4〜7月まで。
コスコは相互リース契約の背景として、米国南西部やニュージーランド、アフリカ、インドなどで適切な船腹の調達が困難だったため、としている。PILから必要な船腹を調達する一方、余剰船をPILがリースすることで船隊全体の合理化を図る。
PILはシンガポールに本社を置き、アジア域内やアフリカトレードに強みを持つ。現在のコンテナ船運航隻数は137隻・36万8000TEUで第12位。東西航路でのアライアンスに所属しない独立系の船社として大きな規模を持つが、コスコとはアフリカ航路で提携するなど近年は同社との関係を強化してきた。PILのS・S・テオ・マネージングダイレクターは今年5月からコスコ・シッピング・ホールディングスの董事会にも所属しているが、発表によると今回の相互リース契約の締結に当たっては投票を棄権した。以前から一部外紙では、コスコが将来的にPILを買収する可能性があると報じている。(2017年9月7日付け日刊カーゴより)
穿った見方になりますが、本当にCOSCOは船復が足りなかったのでしょうか?また、新聞報道を読む限り、用船料が安い訳でもなく、COSCOにメリットがあってもPILにはあまりメリットが無いような気がします。
2008年頃に、KLINEと台湾のYANG MING MARINE TRANSPORT Corp.が協調配船ということで、KLINEのコンテナ船にYANG MINGの船名を付け、YANG MINGの船にKLINEの○○ BRIDGEという船名を付けて運航していた記憶がありますが、そんな話では無さそうです。
PIL自体は、あまり日本では知られていませんが、独自の代理店は持っておらず、日本国内の総代理店業務はマリアナシッピングジャパンが行っています。また、同社の本田代表取締役社長の挨拶に「将来的に日本の主要港へのPIL船の直接寄港を視野に入れ、日本の貨物を集荷していきたい。」などと述べていることから、現時点で直接寄港をしていないと考えられます。
同社のスケジュール表も確認しましたが、四日市港にも寄港している、LEO/J4/JSJサービス(NYK・KLINE・Hapag-Lloyd)のスペースをチャータして、シンガポールでPIL船に接続しているようです。
いずれにしても、今後のCOSCOの動きが気になります。
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日本でも玩具販売店として有名なトイザらス(米国)が、9月19日に連邦破産法を申請しましたが、その影響が拡がってきています。トイザらスは、大型店ならではの品揃えや安さを武器に一時代を築いてきましたが、アマゾン・ドット・コムなどのインターネット通販の攻勢で消費者が奪われ、近年急速に業績が落ちたようです。...
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中国国務院は先月、中国に原材料として輸入されている古紙や廃プラスチックなどのリサイクル品について、環境に有害なものの輸入を来年から規制する方針を明らかにした。また2019年末までに、中国国内のリサイクル率をさらに高め、中国国内で代替可能なものについて輸入調達からの切り替えを段階的に行っていく。中国...
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近いうちに、どこかの船社が発表すると思っていましたが、次はCMA-CGMです。最近、MOLの20,150TEU型の3隻目の引き渡しが済んだニュースもあり、OOCLやEVERGREEN、MAERSK、COSCOなど主要船社が20,000TEU型のコンテナ船を建造していく中で、CMA-CGMは継続して検...
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先日、ついに発表がありました。コスコ・シッピング・ホールディングスは9日、香港のOOCLを買収すると発表した。上海港を運営する上海国際港務(SIPG)と共同での買収で、買収価格は492億3100万香港ドル(約7200億円)となり、CMA-CGMによるNOLの買収価格3000億円をはるかに上回る巨額買...
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20,000TEU型コンテナ船が16日、上海外高橋造船で進水した(写真)。中遠海運集運(COSCO Shipping Lines)が2015年に発注した20,000TEU型11隻のうち上海外高橋造船で建造中の3隻の第1船で、中国で開発、建造された最大型コンテナ船。 上海外高橋造船と中国船舶工業集団(...
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日本の港湾政策を統括する国土交通省で国際コンテナ戦略港湾政策推進委員会が開催されました。日本全体の話として、基幹航路の日本飛ばしが顕著になってきてから、基幹航路の母船を?ぎ止めるための政策が中心で、トランシップを前提に考える政策は、母船の直接寄港と相反する政策だったので、真剣に議論をされていませんで...
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平成29年4月19日付けの日刊カーゴに気になる記事が掲載されていましたので紹介します。概要は、今年から20,000TEUを超える超大型コンテナ船が続々と竣工するという記事で、先日、MOLの「MOL TRIUMPH」(20,150TEU)が竣工し話題となりましたが、すでにMaerskの「MADRID ...
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