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「T.S. BANGKOK」(1,800TEU型)竣工(T.S.LINES)
先月、台湾船社のT.S.LINESが日本〜タイ航路(JHT航路)に、新造のコンテナ船を投入しました。
このコンテナ船は、河川港のタイのバンコク港に入港出来るぎりぎりのサイズ(1,800TEU型)で建造されており、何といっても船首の形状が独特のものです。

2017年8月21日付けCyber shipping Guideより
日本法人のT.S.Lines Japanの陳威如(Eddy Chen)社長(写真右)と高多純一副社長(写真左)
中国船社のSITCも同じような船を建造していて、先日、記事を書いたところでした。
同船は1,808TEU、全長172m、幅27.5m、ドラフト8.5mで、船首は剣型(Sea-Sword Bow)の省エネ設計を採用、燃料消費を抑え運航速度の向上を図り、既存の環境規制に対応するほか、SOx(硫黄酸化物)の排出規制に対応できるよう、スクラバーの設置スペースを確保しているということです。
今後、第1船の“TS BANGKOK”に続き、第2船の“TS KAOHSIUNG”が9月、“TS TOKYO”が11月、“TS OSAKA”が2018年2月に就航の予定です。
T.S.LINESは、7カ国、19港をカバーする定期サービスを開始し、現在、台湾船社として4位、世界で25位(Alphaliner)の船社で、2016年の実績は全航路で164万TEUを取り扱い、売り上げが7億4,200万ドル。業況が厳しかった昨年に黒字を計上した数少ない船社の一社です。
2017年前半の売上高は前年同期比5%増となっており、マーケット状況に合わせ、投入船を昨年の48隻から32隻に減船し、運航コストを低減、消席率を高めた効率配船により、前年比3%増の169万TEUを見込んでいます。
T.S.LINESは、これまで運航するコンテナ船は傭船が多数を占め、自社船がほとんどないという状況でしたが、今回の「TS BANGKOK」の建造から自社船をある程度確保する方針に切り替えたと考えられます。日本法人のT.S.Lines Japanの陳威如(Eddy Chen)社長は、
「 T.S. Linesは協調配船、スロット交換、スロット買い取りなど、自社船保有よりもリスクの少ない運航をしているが、将来の変化に備え、安定的な船腹スペース確保と燃費効率の高い運航船を手当てするため、建造船価が下がったタイミングを捕らえ、1,800TEU型4隻を新造発注した。自社船はドッキング(入渠)などでコントロールし易いメリットもある。建造船価は4隻で1億ドル。現在、運航中の32隻のうち、自社船は1隻だが、これに4隻が加わり、さらに2,800 TEU型、1,000TEU型各2隻の新造を計画、中国起点のインドや豪州のLong Haulに投入することを見越して4,000〜6,000TEU型中古船の買船も検討しており、さらに自社船比率を拡大する方針だ」2017年8月21日Cyber shipping Guideより
四日市港にJHT航路はありませんので、このつるぎ型を見ることは出来ませんが、日本の主要港には寄港しますので、これから目にすることが多くなりそうです。
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