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「船キチの本」(柳原 良平)
私の人生に大きな影響を与えた柳原良平さんの書籍をご紹介します。
柳原良平さんという方をご存知無ければ、MOLのコンテナに書かれれているワニのマークを描いた人と言えば、港湾関係で働いている人ならばお判りになると思います。また、サントリーのアンクルトリスと言えばピンとくる方もいるのではないでしょうか?
残念ながら2015年にお亡くなりになっていますが、生前、自身を「船キチ」と称し、海事思想の普及などに大きく貢献された方です。
中でも、今回ご紹介したいのは「船の本B 船図鑑」と「船キチの航跡」です。前者は1987年に、後者は2003年に出版されていて、少し昔の書籍となりますが、非常に参考になります。
「船の本B 船図鑑」では、柳原良平さんが得意としたデフォメルした船の絵を随所に散りばめて、船の歴史や船会社の歴史について記載されています。
特に「良平の船舶史」として、日本郵船、大阪商船、三井船舶、川崎汽船、山下新日本汽船の当時主要だった船会社の歴史が、裏話などと共に紹介されています。紹介している船会社の社名でも、合併などで既に社名が消えているのがあり、今年(2017年)の邦船3船社による統合会社ONEの結成などを考えると、感慨深いものがあります。
また、同所では「良平の商船学校」として、船乗りになる道を紹介しています。NYKに史上初の女性船長が生まれたりする現在では、船乗りになる道の選択肢が多岐に拡がっており参考にしかならないのですが、航海訓練所の大型帆船「日本丸」(初代)や「海王丸」(初代)をはじめ、私も在学中乗船していた各商船学校の練習船なども紹介されています。
さらに、「船キチの航跡」では、柳原良平さんの半生と船の関わりが書かれています。学生時代船が好きで、当時の船会社とやり取りをしている中で大阪商船梶i現MOL)の担当者が懇意にしてくれたので、船社でもMOLびいきになったと記載されています。
一方で、同書では、自身が乗船したフルコンテナ船「MOL INTEGRITY」やクルーズ船の乗船記などが書かれていますが、随所に便宜置籍船や専用船が増えている現状を嘆かれています。
柳原良平さんの執筆されている書籍はこれ以外にも多数あり、また、同氏の書かれたイラストなどは、現在でも、街角や雑誌などでもよく見かけます。是非、一度ご覧になっては如何でしょうか。