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【四日市港】石炭船、岸壁に接触【第1報】

「OOCL NAGOYA」G.Cと接触【第1報】で報告したとおり、四日市港では同船の接触事故により港湾施設にダメージを受け、復旧作業を行っているさなか、またもや接触事故が発生しました。こちらの方も死傷者は無く、船体と港湾施設に被害があったのみです。接触した「Draco Ocean」は旧パナマックス型(全長225m×全幅32m)よりも一回り小さいサイズで一般的にハンディ型と呼ばれるサイズの本船クレーン付きのバルクキャリア-です。
28日朝、三重県の四日市港で、石炭を運搬していた貨物船が接岸しようとして岸壁に衝突しました。当時、風はなく、波も穏やかだったということで海上保安部が詳しい原因を調べています。
28日午前7時5分ごろ、三重県四日市市の四日市港でシンガポール船籍の貨物船「DRACOOCEAN」(約3万3000トン)が接岸しようとして岸壁に衝突しました。
この事故で、貨物船は船首付近の左舷に幅約10メートル、高さ2メートルほどの長方形の穴があきましたが、フィリピン人の乗組員18人にけがはありませんでした。
船体への浸水はなく、海に油などは流出していないということです。
四日市海上保安部によりますと、貨物船は石炭約5万5000トンを積んでアメリカから四日市港へ向かっていたということです。
当時、風はなく、波も穏やかだったということで海上保安部が事故の詳しい原因を調べています。
四日市港では8月17日にも別のコンテナ船が岸壁に接触しクレーンなどが壊れる事故が起きています。
(NHK【https://www3.nhk.or.jp/tokai-news/20180828/0000435.html】より)
場所は、四日市港霞ケ浦南ふ頭22号岸壁(W22)で、石炭及びコークスを取り扱う岸壁です。

港湾施設の詳細な被害については、これからですが、沖側(写真では右側の岸壁端末部)の岸壁と防舷材が損傷しています。ただ、岸壁上に設置されている石炭を揚げる2基の荷役機械(アンローダー)は無事だったようです。


一番上の写真を見ると判るとおり、船体外板の損傷はひどいです。現地で損傷程度を見ましたが、人が出入り可能な破孔が左船首に出来ています。破孔は船首水槽(Forepeak Tank:船体は水密横隔壁でいくつかの区画に仕切られており、船首と船尾の両端を船首水槽、船尾水槽といい、海水または清水のタンクとして使われる。)の外板で、船首から1つ目の水密隔壁前方まで捲れています。逆を言えば、水密隔壁がもう少し後ろにあればもっと被害が拡大していたかも知れません。船体被害は船首水槽の外板だけと言うこともあり、石炭を積んでいる貨物艙には影響がありませんでした。

ただ、今回の事故で非常に気にかかるのは、事故時の気象海象に全く問題が無かったことです。また、同船には水先人が乗船し嚮導していました。事故原因については海保などの関係機関で調査していますが、接触場所、損傷具合から言って突発的な事態が発生したとしか考えられず、そうではなかった場合には、非常に理解に苦しむところです。
現在(9月2日)、同船は四日市港での揚げ荷を終え、隣の岸壁へシフトし応急工事が行われています。また続報が入り次第、お伝えします。
【本船要目】
Vessel Name: DRACO OCEAN
IMO Number: 9638501
Home port: Singapore
Vessel Type: BULK CARRIER
Call sign: 9V9959
MMSI: 566798000
Ex. Names: MV DRACO OCEAN;DRACO OCEALH;DRA#O OCEAN;NE142
Shipyard: COSCO NANTONG SHIPYARD - NANTONG, CHINA
Year: Feb 26, 2013
Registered Owner: DIAMOND STAR SHIPPING PTE LTD
Ship Manager: Fleet Ship Management Pte Ltd
ISM Manager: Fleet Ship Management Pte Ltd
Deadweight: 58605
GRT: 33188
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