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グランブルーの静寂〜もう一つの氷川丸〜【平安丸】
気になる催しがありましたのでご紹介します。横浜にある日本郵船歴史博物館で、戦前に日本で建造された大型貨客船の中で唯一現存する「氷川丸」の姉妹船で、ミクロネシア連邦チューク環礁内の海底にほぼ原形をとどめて横たわる「平安丸」に焦点を当てた企画展「グランブルーの静寂〜もうひとつの氷川丸〜」を開催しているようです。
知られざる「氷川丸」の姉妹船、「平安丸」とは 海の上と底、2隻を分けた数奇な航跡(画像18枚)
「平安丸」の詳細については、上記のリンク先で詳しく説明しているので省きますが、横浜港に係留されている「氷川丸」と同型船で、3姉妹のうちの3女(3番船)になります。このクラスは、Hから始まる神社の名前で統一されており、1930年(昭和5年)に建造され、完成後は、主に北米のシアトル航路に就航していました。
その後、太平洋戦争中には、潜水艦の活動を支援する特設潜水母艦として、潜水艦への補給などを行っていましたが、1944年2月にアメリカ軍機の空襲によりトラック環礁内(現でミクロネシア連邦チューク環礁内)で沈没しました。
この時の空襲により多数の艦船が同環礁内で沈没したようですが、「平安丸」の沈没位置が比較的浅かったことから状況調査が容易だったということですが、戦後70年以上経ち、海水による腐食などが原因でり年々平安丸自体の状態も悪くなっているようなので、こうした催しにより記録が残るのは非常に大事だと思います。
かつて船に乗っていた者として沈没している船を見るのは、非常に心が痛みますが、平和な海がいつまでも続くことを願うばかりです。
この催しは4月22日までとなっていますので、是非足を運んでいただければと思います。
「氷川丸」の見学会では「平安丸」との類似が確認できる箇所として、非公開エリアである右舷プロムナードデッキやボート・ダビット(救命艇揚げ卸し装置)、主機排気ガス温度計などを公開した。小川学芸員補が「平安丸」の船内に残されたものについても解説し、「『カゴメ』の商標がある瓶が見つかっており、戦時中にも船内の食事でトマト味の料理が出ていたことがうかがえる」などと紹介した。
報道陣に同行した日本郵船広報グループ広報第一チームの清水美穂氏は、2年前に「平安丸」を沈船ダイビングで見に行った際の感想を問われ「よく知っている『氷川丸』とあまりに違う姿を見て、戦時中や70余年の歴史を思い、心に迫るものがあった」と話した。(2018年2月21日付け日刊カーゴより)