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【第1報】ヒアリ騒動を考える【神戸港関連】
まず、この記事をご覧ください。
平成29年5月26日に兵庫県尼崎市において発見されたアリについて、専門機関による種の同定の結果、6月9日に特定外来生物であるヒアリ(Solenopsis invicta)と確認されましたので、お知らせします。当該ヒアリは、中国・広東省広州市の南沙港から出航した貨物船内のコンテナ(1個)の内部で発見されたものです。
このことから、コンテナ内を燻蒸消毒するとともに、現在、確認地点において、捕獲トラップ等を設置し、ヒアリの侵入がないか緊急調査を開始しました。
ヒアリは、南米原産で体長は2.5〜6o程度、体色は主に赤茶色の有毒のアリです。世界では北米や中国、フィリピン、台湾等にも外来生物として侵入・定着しており、世界各地で大きな問題となっています。これまで、日本では侵入は確認されていませんでした。(環境省HPより)
日本が外国と貿易するうえで、切っても切り離せない特定外来生物の侵入です。一昔前、四日市港でもセアカゴケグモの侵入で大騒ぎになりました。
「南沙港」は中国の華南地域にあり、香港から川を挟んで北西の位置にあります。今回、発見されたのが神戸港のPC-18コンテナターミナルなので、どこの船会社が運んできたのか、すぐ判ると思いますが、それよりも大事なのは、今後の対応かと思われます。
セアカゴケグモの場合、1995年11月に大阪で発見され、大きく報道されました。その後、当時オーストラリア航路が寄港していた四日市港でも発見されました。四日市港では現在に至るまで、行政などが定期的に捜索し、発見次第駆除しているようですが、既に定着し、絶滅は困難というのが一般の認識です。要は、個体数を出来るだけ増加させないようにする対応(見つけ次第駆除する)しか出来ないことになります。
ヒアリについても、北米や中国、フィリピン、台湾等に定着しているということなので、すでに相当数が日本に侵入していると考えた方が良さそうです。その他の港も捜索して水際で出来るだけ個体数を減らすことが最重要だと思います。
ところで、報道によれば、今回、コンテナ内部で発見されたとあり、ヒアリが自らコンテナに入って巣を作ることは考えにくいので、もともと倉庫などに保管された貨物に紛れ込んでいたんではないかと思います。
ただ、私の経験の話をさせていただくと、コンテナの外側下部というのは、なかなか確認出来ないので盲点となる箇所です。判りにくくて申し訳ないのですが、底部の四隅は常に地面と接していますが、その他は少し隙間があります。一度実物のコンテナを注意して見てもらうと判ります。推測でしか言えませんが、コンテナ内部以外にも、長期間置かれたコンテナの底部に巣を作る可能性も否定できません。
四日市港でも、中国、台湾、フィリピンそれぞれの航路があり、毎週入港しています。ヒアリがすでに四日市港にも侵入していることを前提に港周辺の捜索を行う必要があるのではないでしょうか。
ヒアリ(Solenopsis invicta)の国内初確認について(環境省HP)
「ヒアリ」100匹、舗装の亀裂に群れ 神戸港のコンテナヤード(産経新聞)