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【第5報】ヒアリ騒動を考える
【第4報】ヒアリ騒動を考えるを記載してから3週間経ちましたが、その間の主な状況をまとめると、
6月30日 名古屋港CTで発見
7月3日 東京港で発見(6月27日に大井CTで陸揚げ→君津市内でデバン→CTに返却、発見)
7月6日 愛知県春日井市内で発見(6月30日に名古屋港CTで陸揚げ)
7月16日 茨城県常陸那珂市内で発見(7月に東京港青海CTで陸揚げ)
7月21日 博多港CT内で発見
7月25日 大分県中津市内で発見(北九州港CTで陸揚げ)
と、予想どおり立て続けに見つかっています、気になったのは、7月3日に発見されたケースです。
この時に、ヒアリが発見されたコンテナ内部の床材を調査したところ、100匹以上のヒアリと卵やさなぎが見付かったそうです。通常、コンテナの床材は、木材が使われていますが、そうなると、コンテナの外部というよりむしろ内部に生息して運ばれてきている可能性が高いと考えられます。また、状況を考えるとヒアリが付着するタイミングは外地でのバンニング時の可能性が高く、他港で見つかったヒアリも同様のタイミングでコンテナ内部に侵入してきたのではないでしょうか。
そうした中での、国の対策です。
国土交通省は25日、港湾での特定外来生物「ヒアリ」定着防止対策として、中国などの定期航路を有する68港を対象に、コンテナヤードの舗装の隙間を埋める緊急工事に着手したと発表した。工事は今週中に全ての港湾で一斉に行われる。第1弾として24日から横浜港・本牧ふ頭で工事に着手しており、25日中に完了した。25日午後に会見した石井啓一国土交通相は「今後も国交省としてヒアリの侵入・定着を防ぐため、関係省庁と連携して対策を講じていく」と話した。(平成29年7月26日付け日刊カーゴより)
確かにコンテナ蔵置場の四隅は荷重がかかる場所で、アスファルトがめくれやすい箇所で巣を作る可能性がありますが、コンテナ外部よりも内部に生息する可能性が高いことを考えると、効果は限定されると思われます。それよりも、今後、中国や台湾から日本に輸出する前に、コンテナ内部の燻蒸や消毒を輸出者に義務付けるなどしないと、同じ話が続くと思いますが如何でしょうか。
あと、蛇足ですが、四日市港に寄港していないある船社の一部のコンテナ床材は、木材ではなく竹を使っています。これは、エコやコンテナ内部の湿度などを考慮して採用されたようですが、今後、そういったコンテナの需要が増えるかもしれません。