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「超ド級」と船の関係
(写真はミニストップHPより)
まず、最初にお断りしますが、今回は、港湾物流の話ではありません。
管理人が良く行くコンビニの看板商品に「超ド級」の文字が使われていたので気になっていたところ、昨日のあるテレビ番組にも「超ド級」のタイトルが使われていました。
キャッチコピーやタイトルを付けた人は、その由来をもちろん知っていると思いますが、皆さんは、この由来をご存知ですか?
うちの嫁さんに超ド級の意味を聞いてみましたが、「ド派手を超える意味?」のような返答で、周りの人に聞いても正解した人はいませんでした。ただ、回答した人のイメージは、「何か想像を超える大きなもの」と捉えているようなので、その点では間違っていないと言えば間違っていないのですが、何を超える大きなものなのかを、今回はご紹介したいと思います。
話は、1906年12月まで遡ります。イギリスのポーツマス造船所で1隻の船(戦艦)が竣工しました。船名をドレッドノート(英語: HMS Dreadnought)(主砲30.5p×10門)と言います。この竣工から35年後(1941年)に日本で完成することになる世界最大の戦艦「大和」(主砲46p×9門、副砲15p×12門)には遠く及びませんが、この戦艦の竣工は当時の各国海軍を驚かせました。
(Wikipediaより)
これまで主砲+副砲をセットして、船体中心線上に配置することが一般的でしたが、このドレッドノートでは、中間砲・副砲を装着せず単一口径の連装主砲塔5基を装着して当時の戦艦の概念を一変させました。これにより片舷火力で最大4基8門の砲が使用可能となりドレッドノート1隻で従来戦艦2隻分の戦力に相当し、かつ、艦橋に設置した射撃方位盤で統一して照準することで命中率を飛躍的に向上させることに成功しました。
さらに、英国の従来の戦艦の速力がレシプロ機関で18ノット程度なのに対し蒸気タービン機関を装着していて21ノットの高速が出るなど、あらゆる面で、従来型の戦艦を凌駕するものでした。
ドレッドノートにより就役・建造中だった全ての戦艦が一気に旧式化してしまった事態はより深刻で、当時建造中だった日本海軍の最新鋭艦薩摩型やイギリス海軍のロード・ネルソン級、フランス海軍のダントン級などが全て就役前に旧式艦の烙印を押される結果になりました。
その後、中心線上に全主砲塔を背負い式に配置し、全ての砲を両舷に向けることが可能で、口径、砲身長、装甲のどれをとっても本艦を凌駕する性能を持つイギリス海軍の戦艦オライオン級(1912年竣工)が完成すると、それ以降に計画・建造される同種の艦を、先例に倣って「超ド級艦(super dreadnoughts)」と通称することになりました。例をあげると、ドレッドノートより強力な主砲と高速力を有するが装甲の薄い超ド級巡洋戦艦ライオン級(1912年竣工)や、のちに装甲や機関を強化して高速戦艦化する「金剛」(1913年竣工)がそれに該当します。
このため、日本海軍では、太平洋戦争に従事した「金剛」以後の戦艦12隻(大和、武蔵も含む)は、全て「超ド級」と言うことになります。ちなみに、日本では「弩」の字が当てられ「弩級艦」などとと表記されます。
と言うことで、「超ド級」とは、1906年に完成したイギリス戦艦「ドレッドノート」が由来で、「他を圧倒するもののこと、特にサイズが大きいこと」になると思います。