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主要コンテナ船社の運航船ランキング(2017年末)
フランスの調査会社Alpherlinerがまとめている主要コンテナ船社の運航船ランキングをご紹介します。正式には2017年12月24日時点ですが、概ね2017年末の数字として大丈夫だと思います。
この表での注意点は、Maersk(デンマーク)にはハンブルグスード(ドイツ)の数字が、CMA-CGM(フランス)にはAPL(アメリカ)の数字が、Hapag-Lloyd(ドイツ)にはUASC(アラブ6か国)の数字が、それぞれ含まれています。OOCL(香港)についてはCOSCO SHIPPING(中国)に買収されていますが、現在もブランドとして存続していますのでそのままとしています。
また、邦船3社のONE(日本)については、2018年4月からサービス開始ですので、各船社ごとに表しています。
上のクロス表は、上位15船社までの運航船腹量と隻数及び現在までに判明している発注船腹量と隻数を表しています。また、下のグラフは、上のクロス表に対応しており、現在の各船社の運航船腹量と隻数を表しています。
これを見て判ることは、Maerskが1強の状況で、続いて第2グループでMSC(スイス)、CMA-CGM、COSCO SHIPPING【+OOCL】の3社があり、第3グループとしてHapag-Lloyd(ドイツ)、ONE(NYK+MOL+KLINE)、EVERGREEN(台湾)の3社のような構図となっています。これは、今後大きな合併や買収が起きない限り、2018年も同じ傾向が続くのではないかと考えられます。
一方で、Yang Ming(台湾)、PIL(シンガポール)、ZIM(イスラエル)、HYUDAI(韓国)、WAN HAI(台湾)などは、相対的な地位の低下などで、2018年は厳しい選択を迫られることになるかもしれませんが、上位船社との提携等の面では、逆にキャンスティングボードを握っているとも言えるのではないでしょうか。
Yang Mingについては、現在、ザ・アライアンス(NYK,MOL,K LINE、Hapag-Lloyd、Yang Ming)に参加し、2018年4月からも東西航路については、引き続き協力して配船を行うようですが、台湾政府系の企業でもあり、当分は政府の方針に従い、単独で事業を進めていくようです。
台湾のヤンミン・マリン・トランスポートは14日、コンテナ船隊を刷新する方針を明らかにした。具体的な内容は明らかにしていないが、老朽船を返船ないし解撤する一方で、より新しく燃費効率の良い船隊へと入れ替えていくとしている。ヤンミンはこのほど、国主導の支援により財務基盤の再建にめどを付けたばかり。今後は政府の新南向政策に沿い、東南アジア地域への事業展開を進めていく方針としている。
ヤンミンの現在のコンテナ船運航規模は約59万TEUで世界6位。超大型コンテナ船では、これまでに台湾のCSBC建造で1万4000TEU型船15隻を投入しており、さらに来年には今治造船の建造で追加5隻のデリバリーを予定している。外紙報道によると、今回刷新の対象となるのは主に3000TEUから8000TEU型までの中型船20隻。ヤンミンは今後、数年かけて新造発注ないし新規用船で船隊を強化し、東南アジア航路を拡充していく方針という。(2017年12月18日付け日刊カーゴより)
さらに、上記の表で見ていただきたいのは、各船社が発注している船腹量と隻数の関係です。単純に1隻当たりの平均TEUを計算すると判りますが、そのほとんどが、1万TEUを超える大型コンテナ船だということが判ります。世界経済が好調とはいうものの、こんなに大量発注して2018年は大丈夫なのでしょうか。
今後も、注意して見ていきたいと思います。