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2016年のコンテナ貨物の動き(米国・欧州編)
この時期になると、2016年(暦年)の様々なコンテナ貨物取扱量が各機関から発表されてきます。今回はアジア(日本)〜米国間とアジア(日本)〜欧州間のコンテナ貨物取扱量のご紹介です。
日本海事センターがまとめた統計によると、2016年のアジア18ヵ国→米国への往航は約1,600万TEU、復航は約700万TEUでした。うち日本出しは約64万TEU、日本へは約77万TEUでした。シェアで表すと往航は約4%、復航は約11%です。
また、アジア18ヵ国→欧州への往航は約1,500万TEU、復航は約700万TEUでした。うち日本出しは約49万TEU、復航は約64万TEUでした。シェアで表すと、往航は約3%、復航は9%です。
この数字を見て、どう思いますか?
単年度で見ると上下はあるものの、アジア18ヵ国から輸出入の貨物は増加しているのにもかかわらず、日本発着貨物については相対的に減少しています。結果、米国や欧州向けなど基幹航路の日本飛ばしが進んでおり、このシェアを見るかぎり、その傾向はこの先も続く可能性が高いと思います。
ちなみに、国土交通省の資料によると、京浜港では1998年に52便の基幹航路がありましたが、2014年には半分に減っています。また、阪神港でも、1998年には48便あったものが、2014年には1/4の12便しかありません。
一方で、現在、国では戦略港湾政策として、日本国内に散らばっているコンテナ貨物を、京浜港(東京港+川崎港+横浜港)と阪神港(大阪港+神戸港)に集約させ、両港のボリュームを増やし、基幹航路維持拡充を行うための政策を行っています。この政策によって効果が出てくるのか、今後の推移を見守りたいと思います。