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2016年の日本発着コンテナ貨物取扱量
本日6月30日(金)国土交通省から、2016年における日本全国のコンテナ貨物取扱量の発表がありました。
結果、前年比2.4%増の2,168万TEUとなったようです。
ただし、この数字は外貿、国内、国際フィーダーの合計となっているため、純粋に国外で輸出入されたコンテナ貨物取扱量よりも多く出ています。
国土交通省としても、現在進めている国際戦略港湾の成果としてほっと胸をなでおろしているのではないでしょうか?
私が気になる数字としては外貿コンテナ貨物の取扱量ですが、前年比1.6%増の1,756万TEUで、うち輸出は1.5%増の876.4万TEU、輸入は1.7%増の879.5万TEUだということで、輸出入とも微増となっています。
国がコンテナ貨物取扱量のランキングを発表していますが、それによると、
第1位 東京港 473.5万TEU
第2位 神戸港 280万TEU
第3位 横浜港 278万TEU
第4位 名古屋港 266万TEU
第5位 大阪港 221.6万TEU
以下、博多港96.6万TEU、那覇港54万TEU、清水港51.73万TEU、北九州港も51.73万TEU、さらに苫小牧港が31.7万TEU、以下に広島港、仙台塩釜港、新潟港、四日市港が20万TEU台となっています。
那覇港が7位に入ってくることは意外だと思われますが、内貿コンテナ貨物が数多く含まれていますので、コンテナ貨物取扱量を大きく押し上げています。
今回の順位では、神戸港が横浜港を抜いて2位に変わったことが一番大きいトピックでしょうか。
最後の日本におけるコンテナ貨物取扱量の経年変化を見ていただくと判りますが、今後、どんなに頑張ったとしても日本国内の外貿コンテナ貨物量は全体で1,800万TEU程度が限度かと思われます。
ちなみに、海外港湾のコンテナ貨物取扱量はというと、2015年のデータですが(桁が違うので注意)、
1位 上海港 約3,700万TEU
2位 シンガポール港 約3,100万TEU
3位 深セン港(中国) 約2,400万TEU
4位 寧波港(中国) 約2,060万TEU
5位 香港 約2,010万TEU
となっています。これらは、港単独で日本全体の貨物量を上回る貨物量を取り扱っていますので、日本の5大港と言われる大港湾でもいかにコンテナ港湾の貨物の取り扱いが少ないかお判りになると思います。ちなみに、日本でランクインするのは東京港で第29位となっています。
そう考えると、欧州航路や北米航路などの基幹航路を運航する船社が、日本の港をスキップするのもうなずけるのではないでしょうか。
現在、国が主導して、国際戦略港湾の政策に取り組んでいますが、この事実を国を始め港湾関係者がしっかり認識していないと、今後の港湾政策のかじ取りを誤ることになると思われますが如何でしょうか。